本の紹介コーナー
  • パンダ
  • 2015/04/28 (Tue) 15:16:34
役立つ情報を共有するための,ちょっと新しい試みです。よろしければご参加ください。

定型アスぺ問題に関連してご自分がお読みになった本で,他の方にも紹介したいものがありましたら,簡単な感想やおすすめのポイントなども含めてご紹介ください。内容は自由にお書きいただければと思いますが,他の方の便宜のため,以下の点は最低含めていただくようお願いします。

1.「件名」に本のタイトルを書く
2.本文の初めに以下の内容を書く
  著者名 本のタイトル 出版社 値段 (わかれば発行年)
アスペルガー的人生
  • ココチ
  • MAIL
  • 2015/04/28 (Tue) 20:23:30
リアン・ホリデー・ウィリー著 ( ニキ・リンコ訳)
「アスペルガー的人生」
東京書籍
2160円
2002年発行

3人の娘さんのいる女性が、末娘がASであると診断されたことで 自分もASだと気づき、ASの世界を 彼女の高い言語能力で説明してくれている本です。

訳者は、ご存知の方もいると思いますが、ニキ・リンコさんというASの方で、あとがきの中で「訳者自身も教えられる点が多く 多いに役に立ちました」と書いています。「とりわけ、非ASのパートナーに助けられながら結婚生活を送る、という点については、私も(子供こそいないものの)全く同じ立場なので、いろいろと考えさせられました」と続けています。

ところで ASと一口に言っても、実に様々な人がいますが、
ニキさんは、著者リアンさんと自分の共通点を2つあげています。
一つは、文体が妙に堅苦しいという点。(内容は身近な日常のことなんですが)
ニキさんも 人に見せる文章を書く時は普通の日本語を書いていますが、頭の中で流れている言葉や、何か大事なことを考えながら言おうとすると、理屈っぽい直訳調のものになるんだそうです。この方が、自分にとっては、飾らない自分のことばで、普通の会話体の方がよそゆきのことばなんだそうです。
もう一つは、静止画像の積み重ねで記憶するタイプだという点。
視覚優位のタイプの多い自閉症スペクトラムですが、静止画像優位と動画優位の違いがあるかもしれない、とニキさんは書いています。

正反対の点は、ニキさんは自己主張が得意ではないということだそうです。
そんなリアンが、本著の末尾でこう記しています。「ASよりも、[実は]もっとありふれた病、実にたくさんの人の命をむしばんでいる病[がある]。この病にかかった人は、我が身を絶えず「人並み」という基準と比べずにはいられなくなる。しかもその「人並み」とやらはたいてい、あまりにも完璧で-現実にはだれ一人達成できないような代物だったりする。」
耳の痛いことばですね、と序文を書いた著名な専門家が結んでいました。
発達障害の親子ケア
  • ココチ
  • MAIL
  • 2015/04/28 (Tue) 20:48:05
宮尾益知監修
「発達障害の親子ケア」
講談社
1404円
2015年発行

(うちは、夫がアスペルガーで 子供は定型なのですが)よさそうなので 注文してみました。
核家族を、悪循環からいい循環にする方法が書いてあってとてもいいです!

イラストや図がいっぱいで、わかりやす~い参考書みたいな感じでしょうか。
あったかい感じで。。
アスペルガー症候群
  • パンダ
  • 2015/04/29 (Wed) 14:21:59
著者名  岡田尊司
タイトル アスペルガー症候群
出版社  幻冬舎
値段   760円(「ブックパス」の電子書籍版)
発行年  2013

 精神科のお医者さんである岡田さんが,アスペルガー症候群という考え方が出来上がった経緯から始まり,いろんなタイプのアスぺの方について具体的ケースからの解説,三大特徴(社会性障害・コミュニケーション障害・想像力の特徴:この本では反復行動と狭い興味として)の解説,「すべての出発点」としての診断の説明,脳の特徴,アスペルガー症候群増加の原因,付き合い方の工夫,学校や家庭での工夫,進路や恋愛問題,症状の改善方法まで,豊富な経験に基づいてコンパクトに書かれています。
 この本の特徴としては,まずアスぺの方の存在を,社会にとっては欠かせない大事なものとして理解されている点があります。ビルゲイツやスティーブジョブスなど現代ネット社会を作ってきた人びと,アインシュタイン,ダーウィンなど,現代科学に革命を起こした人,ヴィトゲンシュタイン,キルケゴールなど現代哲学のいくつかの面を代表するような人から,ジョージ・ルーカス,ウオルト・ディズニーなど映画・エンターテイメント界の巨人,チャーチルのような政治家,井深大のような実業界の大立者まで,言ってみれば現代を代表するような人物がみんなアスペとして紹介されています。
 こういう偉人の診断評価を嫌うお医者さんもいるようですし,それがどこまで適切なのかは私にはわかりませんが,いずれにしても,アスぺ=定型未満というようなマイナスの見方にならず,言ってみればアスぺ=超定型の部分を大事にしようとする姿勢には学ぶものがいろいろありました。 
当事者が語る結婚・子育て・家庭生活
  • ココチ
  • MAIL
  • 2015/04/29 (Wed) 22:43:57
服巻智子著
「当事者が語る結婚・子育て・家庭生活ー自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド[3]」
クリエイツかもがわ出版
2160円
2009年発行

とても具体的で実践的です。
女性のケースが多く載っています。

著者は 以前に 発達障害専門の教育家としてNHKの番組「プロフェッショナル私の流儀」に出たことがあります。
英・米・豪で自閉症支援を学んだ経験を生かしているとのこと。
別の著書の中で、こんなことを言っておられるのが印象的でした。
以下その引用です。



留学していたノースカロライナ大学TEACCH部での本人告知には何回も同席させていただいたのですが、・・適応状況の一般説明が必ずありました。
両者が歩み寄ると適応状況が出来る、ということで、だから周囲の定型の人にも理解を求めていく必要があるけれど、自分自身も今よりうまく成長したりスキルを獲得するためにエネルギーを払って適応状況を一緒につくりあげましょう、その手伝いは専門家ができますよ、というような話し方をされていましたね。

トニー・アトウッド博士のクリニック(豪)にも研修で数週間行かせてもらったのですが、そこでは、自閉症の人の長所短所を具体的にあげて行き、短所は誰にでもある、でもこの長所のために君は素敵だし、それが自閉症ということなんだよ、短所をうまくカバーしていくために他の人よりちょっぴり苦労するだろうけど、それは専門家に導いてもらうことができるから定期的に通ってこようね、と明るくお話されていました。
聞いている自閉症の人も、サバサバと受け止めて、むしろ思考の方向が示されてわかりやすいようでした。
・自閉症・はただの事実でしかなくて、この自閉症を持っている自分をより良く肯定し前向きに生きていく方略が見つかるということに他ならないのだよ、ということが、支援者側の姿勢として力強く示されていたことです。
・・絵空事ではない真実を知る歓びを診断する側と受ける側が共有する瞬間の崇高な空気に、同席した私の方が心震える感動だったことが忘れられません。
(「自閉っ子は必ず成長する」p.254-255より引用)
「わかっているのにできない」脳 1
  • Katz
  • 2015/04/29 (Wed) 23:35:44
著者名  ダニエル・エイメン(ニキ・リンコ訳)
タイトル 「わかっているのにできない」脳 1
出版社  花風社
値段   1,714円(+消費税)
発行年  2001年

十何年も前の本ですけど、極めて合理的にASDを理解させてくれます。心理上の問題は脳の活動の偏りとして理解され、従って薬物療法は有効で合理的である、と納得させてくれる本です。
またASD、即ち自閉症圏というのは、アスペと多動(と自閉症)しかないのではなく、もっと色々なタイプがある、との事。この本では全部で6種類に分類しています。またそれぞれの併発型もあるので、実際の現れ方はさらにバリエーションが豊富ですね。ちなみに私は、この本の分類で言う所のタイプ1,2,3,4の併発型と診断されています。
タイプ1: 典型的ADD(症例を見ると、いわゆるADHDの事のようです)
タイプ2: 不注意型ADD(注意欠陥だけど多動ではなく、やる気の無さとして片付けられやすいとのこと)
タイプ3: 過集中型ADD(いわゆるアスペルガー症候群に近いようです)
タイプ4: 側頭葉型ADD(感情が極めて不安定で、特に怒りっぽい)
タイプ5: 辺縁系型ADD(鬱病に近い症状が現れるとのこと)
タイプ6: 火の輪型ADD(とにかく脳全体が活動過多で、1〜5の全症状の併発で、躁鬱(双極性障害)とも似た症状らしい)
アスペルガーの館
  • あすなろ
  • 2015/05/01 (Fri) 22:32:21
村上由美 著
アスペルガーの館 講談社
2012年 発行
1400円

言語聴覚士で、アスペ当事者でもある著者さんの生育歴、同じくアスペのご主人と出会って結婚するまで、その後の生活の中で直面する様々な困難や工夫を書かれています。
同じアスペ同士でありながら、生育歴や性格の違いから、カサンドラのような葛藤が生まれるところが興味深いです。
題名は、ご主人が運営しているサイトの名前から。有名なのでご存知の方も多いかもしれません。
アスペルガーですが、妻で母で社長です。
  • あすなろ
  • 2015/05/02 (Sat) 12:27:55
著者 アズ直子
題名 アスペルガーですが、妻で母で社長です。
ー私が見つけた"人とうまくいく30のルールー
出版社 大和出版
2011年 初版
定価 1300円

アズ直子さんのことは、ネットで知っていましたが、主婦兼社長という肩書きが、アスペであっても特別な人というイメージだったので、この本を取るのに抵抗がありました。
けれど、読んでみたら、この掲示板で書かれているトラブルそのものの連続で、それに対して何か特別なことをしたわけでもなく、無理に変えたわけでもないことが分かりました。
アスペルガーの部分に対しての、アズさんの対策も具体的に、できそうな内容が書かれていますが、ADDの特性も強いとのことで、私にも役立つ対策や、実際にやっている対策があって、実用的でした。
ご主人とお子さんとの関係の変化は興味深いです。
特に冒頭の、お子さんの作文は必見です!

女性のアスペルガー症候群
  • パンダ
  • 2015/07/20 (Mon) 10:52:30
著者名  宮尾益知
タイトル 女性のアスペルガー症候群
出版社  講談社
値段   1300円
発行年  2015

パートナーから読んでみてと言われてみています。
ADHDからアスペルガーに対象を広げていったお医者さんの本ですが,女性のアスぺの方は男性とは異なる特性を持っていて,気づかれにくく,対応も異なる必要があるという視点から,ご自分の経験をもとにその特徴や対処法を書かれています。
私もパートナーがアスぺだということになかなか納得できなかったのは,カナータイプで作ったイメージとすごく違うということもありましたし,また宮尾さんが繰り返し書かれているように,男性のアスぺの方を基準に作られたアスぺの典型例の考え方がぴったりこないということもあったのだと思います。だから「アスぺ」という特別枠ではなくて,「性格的に自閉っぽいところがある」というレベルで理解していたのですね。
女性のアスぺ理解はまだほんとうにこれからの課題だと宮尾さんは書かれていますが,ああ,やっぱりそうなんだなあと私も改めて思いました。
大人の発達障害ってそういうことだったのか
  • ココチ
  • MAIL
  • 2015/07/20 (Mon) 13:15:57
著者名 宮岡等 内山登紀夫
タイトル 「 大人の発達障害ってそういうことだったのか」
出版社 医学書院
値段 2940円
発行年 2013年

医師同士の対談ですが、女性のASについて,こんなことを言っていました。

[内山]. 特に成人に関しては,うちのクリニックでも女性の受診者が増えてきています。
まだ男性の方が多いですが,半々近くになってきていますね。
男女差はないのではないかと実は昔から思っていました。
診断基準を男女で同じにしてしまうと男性が多くなってしまうと思います。
女性には女性の診断基準があるべきです。・・・・
コミュニケーションに関して言うと、成人では女性の方がコミュニケーション能力は高いですね。
・・でもよく聞いて見ると、皆さん辛い思いをしていますよ。自覚的な辛さと言う点では、必ずしも軽症とは言えないと思います。・・
女性の患者さんは教科書に載っていないような症状もけっこう多いですね。・・
内省的な苦悩と言うか、自分が苦悩している度合いは、男性より女性の方が強いかもしれないです。
まわりが苦悩する、苦労するのは、男性の方が圧倒的に多いですけど(笑)



この本は、お医者さんたちも大勢読んでいらっしゃるらしいですね。

私も女性として、遅まきながら、女性のASにも 理解が進んでいってほしいと願っています!

追記 : 上記のことは,あくまで一人の医師の意見です。こういう考えの医師が増えて来ているようですが。

診断の有無よりも 特性を自覚し理解して生活できるようになることの方が大事ということを強調する当事者や専門家も少なくありません。なので,当人の困り具合によって,できればアスペルガーと診断したくないという医師もいます。(このあたりのことは,このブログを読んでいる方なら,よくお分かりになっていることだとおもいます)
ただ,診断がついたことで,一段ラクになられた方たちがいらっしゃいますから,一人一人が自分のプラスになるように選ぶことですよね。
私たち、発達障害と生きてます
  • ココチ
  • MAIL
  • 2015/07/20 (Mon) 13:43:04
著者名 高森明 木下千紗子 南雲明彦 高橋今日子 他
タイトル 「私たち、発達障害と生きてます」
出版社 ぶどう社
値段 1700円+税
発行年 2008年

成人してから発達障害だとはっきりした 8人の若者たちが、自分の経験を書いています。
「こんな本があったら」という当事者の願いを 自分たちで実現してしまったそうです。
書いている人の半数が女性です。

(正確には、一人は成人前にわかっています)
発達障害に気づかなかったあなたが 自分らしく働き続ける方法
  • ココチ
  • MAIL
  • 2015/12/24 (Thu) 17:02:34
著者 高山恵子
タイトル 「発達障害に気づかなかったあなたが 自分らしく働き続ける方法」
出版社 すばる社
値段 1500+税
出版年 2012年

このブログの常連さんのあすなろさんが、この高山さんの書かれていること(ブログ?)がとても参考になったとおっしゃっていたのと、働くことに関する本だということで 注文してみました。
(発達障害のあるうちの夫が 仕事の負担を軽くするため転職を検討中で、私も復職を目ざしているなどの時期なので関心があって)
高山さんご自身はADHDだということで、発達障害の当事者の視点。
薬剤師、臨床心理士、エジソンクラブ代表であられるということで、専門家. 支援者の視点。
一人の方で、いろんな角度からご覧になれるんですね。
とても親しみやすい感じで書かれていて好感が持てました。ご自分がいっぱい失敗して来たことから、ポイントを書きたい、という姿勢で。
前書きがこういう言葉で結ばれています。
「私も、ある一冊の本との出会いで、人生が変わりました。もしかしたらあなたの人生もこの本で"少し"かわるかもしれません。そしてこの"少し"が未来の大きな変化になるかもしれません」

この本の中でも書かれていますけど、たとえばこういう本などを参考にしながら"自分に合ったオーダーメイドのもの"をひとりひとりが作っていく、ということですよね。
この「アスペと定型」のブログでは、長年そうやってこられた複数の方たちが それを語ってくれているので、その観点からも とても参考になるブログだと思います。
変わり者で行こう
  • パンダ
  • 2016/01/24 (Sun) 17:31:17
著者名  ジョン・エルダー・ロビンソン(藤江良江訳)
タイトル 変わり者でいこう:あるアスペルガー者の冒険
出版社  東京書籍
値段   1400円
発行年  2012

 まだアスペルガーについての理解が全くなかったころ、飲んだくれの哲学教師の父と精神的に困難を抱えた母親に育てられ、学校では厳しい不適応を抱え、高校中退をしながら、持ち前の集中力と好奇心を糧に、特別な能力を持つ技術者として成功した著者は、40歳になって初めて自分がアスペルガーと分類されることを知ります。その後アスペルガーについての勉強を始めますが、「アスペルガー症候群についての既存の手引書は(中略)ほとんどが臨床記録のようなものか、人を落ち込ませるようなもの、またはその両方を兼ね備えたもの」だと思い、そうではなく、アスペルガーとしての特性を理解しながら、自らの長所を最大限に発揮し、アスペルガー者として活躍するための工夫を、自らの体験からいろいろ紹介しています。

 定型アスペの感じ方、考え方、行動の仕方の違いを丁寧に観察し、説明していて、「障がい者」としてではなく、もうひとつの生き方としてアスペルガーを理解する上で、とても役に立つと思います。

 まだ読んでいませんが、この著者の最初の著書に「眼を見なさい!」(2009 東京書籍)があります。
図解 よくわかる発達障害の子どもたち
  • パンダ
  • 2016/01/29 (Fri) 14:48:47
著者名  榊原洋一
タイトル 図解 よくわかる発達障害の子どもたち
出版社  ナツメ社
値段   1500円
発行年  2011

 発達障害について研究などを続けてこられた専門家(お医者さん)の本です。最近テレビで解説されているのをたまたま見たのですが、発達障害をそのひとの問題というより特性として理解しようとされていて、治療とは言わず、「対応」ということばを使おうとされたりしていて、いいなあと思いました。

 この本ではまだ「治療」という言葉を使われていますが、いわゆる原因の問題から、それぞれの特徴、発達障害児の現状、まわりの環境の影響、薬での対応の仕方と限界、親の対応、学校の対応、地域の対応など、関連する問題を幅広く上手にわかりやすく説明されています。

 参考までに2章「家庭での接し方・支援のしかた」の目次項目をあげてみます。目次だけを見ても、結構「かゆいところに手が届く」感じがあると思います。


「しかる」より「ほめる」  簡潔なことばで伝える  生活パターンを決める  苦手なことは親が支援する  忘れ物を減らす工夫  整理整頓の習慣づけを  生活しやすい環境づくり  パニックへの対応  かんしゃくへの対応  得意なことを伸ばしてあげる  事故にあわないための配慮は?  家族の一員としての役割を  きょうだいとのかかわりに配慮する  友達とのかかわりを支援する  本人に発達障害を告知する  地域の人に理解を求める
発達障害のある子のサーポートブック
  • パンダ
  • 2016/01/30 (Sat) 21:22:20
著者名  榊原洋一・佐藤暁
タイトル 発達障害のある子のサーポートブック
     保育・教育の現場から寄せられた
     学習困難・不適切行動へのすぐできる対応策2800
出版社  学研
値段   2000円
発行年  2014

 サブタイトルに中身はよく紹介されています。
 「平均的な発達から足りない部分」を問題にするのではなくて、
 一人一人が周囲とのやり取りの中で個性的な発達をしていく、
 そういう視点(×欠損モデル、○自己組織化モデル)を持って、
 それをサポートするいろいろな工夫を現場から集めた本です。

 以下、目次の紹介です。

 A 対人関係がうまくいかない
  1.すぐに怒り出したり、イライラしたり、動揺したりする
    他17項目
 B グループ内での不適切な行動
  18.グループ活動において、参加しようとしなかったり、
   不適切な行動をする
    他5項目
 C 決まりやルールを守らない
  23.教室の決まりに従わない
    他17項目
 D 通常の状況下でも不適切な行動をする
  40.事故成語をすることなく衝動的に行動する
    他20項目
 E 元気がない、うつの気分
  60.無断で欠席をする
    他12項目
 F 記憶、抽象概念、一般化、整理などが苦手
  72.集中することができない
    他12項目
 G 気になる学業上のふるまい
  84.宿題を提出しない
    他11項目
 H 聞き取ることが苦手
  95.口頭での指示を理解することができない
    他4項目
 I 話すことが苦手
  99.話し言葉の語彙数が限られている
    他3項目
 J 読むことが苦手
  102.自分が読んでいるものを理解することが困難
    他5項目
 K 書字・つづり字が苦手
  107.文字を移したり書いたりする際に、正しく(形を)
    書くことができない
    他8項目
 L 数学上の計算が苦手
  115.文字問題を解くことが困難
    他4項目
 M その他の事例と対応策

子どもに手を上げたくなるとき
  • ガーディナー
  • MAIL
  • 2016/01/30 (Sat) 23:57:20
著者  橘由子   1990年代半ばごろの初版だったと思います
出版社 学陽書房  当時のお金で1500円ぐらいだったかな?

ちょっと(ではなく大変に)古い情報です。
最近ブログのコメントで、「ガーデン一家物語」なるものを書かせていただいています。
書いていくうちにだんだん若いママの気持ちに感情移入してしまい、
それで思い出したのがこの本です。


アスペルガーとは関係のない本ですが・・・。
「手をあげる」とは「叩く」と言う意味です、体罰ですね。
著者橘由子さんという人は、慶大出の才媛で一時期ちょっと有名でした。

内容は、初めての子供を育てるストレスと孤独感の中、
精神的に追い詰められていき、自分をコントロールできずに
子供をたたいてしまう日常が、生々しくつづられた手記です。
冷静さを保てなくなり思わず子供をたたいてしまう自分を、
もう一人の自分が冷静に分析している文体は、
心理小説を読むような面白さもありました。

当時はまだ『発達障がい』という概念はありませんでしたが、
本書後半に出てくる著者の次女のスケッチは、
多分アスペちゃんだろうな?
と思わせるようなシーンがいくつも出てきました。
私は第一子を妊娠中に本屋で偶然この本を見つけ、
むさぼるように読んでしまいました。
慌てて夫にも読ませ
「子育てってこんなに大変なんだよ、あなた!いい?」
と念を押した記憶があります。

本は引っ越しの時にどこかに行っちゃいましたが、
どんな育児書よりも説得力がありました。
今となっては懐かしい話です。
うちの火星人
  • みるき
  • 2016/09/16 (Fri) 11:01:28

著者名:  平岡禎之
タイトル: うちの火星人(5人全員発達障がいの家族を守るための‘取扱説明書’)
出版社:  光文社
値段:   1500円+税
発行:   2014年


6人家族、ふたを開けてみたら自分以外はみんな発達障がい(火星人)だった!?という唯一の定型である著者平岡さん目線で描くほのぼの?ぶっ飛んだ?「未知との遭遇」の物語です(笑)

定型の方にとっては、定型の方の書いた本なので共感する部分も多く表現もわかりやすいかな?と思います。また、具体的な対応策や日常生活の工夫などものっているので参考にしやすいかなと思います。
あとは、なんだ自分だけじゃなかったと著者に感情移入できること間違いなし?
これから、発達障がいのお子さんを育てます、今育てています、そういう方にも参考になる部分もあるかなと感じました。


当事者の方にとっては、5人それぞれの障がい特性が違っているので自分と似たような特性があればその方の対処法や工夫から学べることがあるかもしれないなと思います。


参考までに少し書いておきます。

○妻:表情が読めない、感覚過敏、過集中気味、身体の使い方が不器用、頭の中の整理整頓が苦手、衝動性、感情表現が極端、その他

○長女:話すのも行動もゆっくり、過集中気味、時間の感覚がない、表情や空気が読めない、感覚過敏、忘れ物をする頻度が超人的、好きなことは映像的に視覚優位で記憶できる(視覚優位の動画タイプなのかな?)、ふつうにふつうをするのが苦手、その他

○長男:感覚過敏(特に聴覚と嗅覚)、お気に入りの服をずっと着る、正義感が強い、急な予定変更が苦手、その他

○次女:思考も行動も超高速、人見知りせず警戒心ゼロに近い、切り替えが早い、感覚過敏

○次男:とにかくゆっくり、急な予定変更でパニック、感覚過敏、整理整頓が苦手、文字の読み書きが不器用、夢中になるととまれない、その他


それぞれの特性に合わせての具体策として、家の中にボードを作ったり、ストレス軽減のためにイヤホンを使っていたり、絵を描いてコミュニュケーションをしていたりとどのご家庭でもわりとすぐにできそうなことが多くのっているので参考までにどうぞ~。

わりとカラフルで文字もそんなに多くなく、イラストや四こま漫画?みたいなのも載っているので、文字はちょっと苦手だーという人にも読みやすいかなと思います。

ちょっと前の本みたいですが面白かったのでおすすめです^^
自閉っ子のための努力と手抜き入門
  • あすなろ
  • 2016/11/24 (Thu) 18:45:08
1.自閉っ子のための努力と手抜き入門
2.著者 ニキ・リンコ、浅見淳子
花風社 1,600円

花風社、社長の浅見さん(定型)と、ニキ・リンコさん(アスペ)の対談方式で、定型とアスペの感覚の違いを探っていくのが、とても面白く、どこに行き違いが生まれるのか分かりやすいです。
ニキさんの感覚は、非アスペからしたら、驚くようなものですが、アスペの人が読んだら、『定型にはそういう感覚ないの?』と思うかもしれません。同じアスペでも、藤家寛子さんという方との違いも書かれていて、アスペにも多様な人がいることが分かります。
また、時々挿入されている漫画が分かりやすいです。

なるほど、こんなに感覚が違うのか!と思うことがいっぱいです。
あるがままに自閉症です
  • あすなろ
  • 2016/11/24 (Thu) 18:58:39
1.あるがままに自閉症です
ー東田直樹の見つめる世界ー

2.著者 東田直樹
出版 (株)エスコアール出版部
1000円

知的障害を伴う自閉症である東田直樹さん。彼の著作は、本当に彼の言葉なのか、議論が巻き起こっていますが、私はここに書かれている独特の世界は、本当に彼の言葉だと思いますね。この前に載せたニキさんの感覚と共通するものがあります。

この中に、こんな一節があります。

『告知とは……。子供は自分が原因で、いつも親が困ったり、泣いたりしているのも知っています。その苦労は、障害のせいだとはっきりしたのです。「障害があっても決して不幸にはならない」「自分にできることを一生懸命やれば、これから先も生きていける」「今日笑顔で暮らせるなら、明日も笑顔で暮らせる」「まだまだ楽しいことはいっぱいある」と話してください』
発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由
  • あすなろ
  • 2017/01/25 (Wed) 09:23:01
最近読んだ三冊の本が、これまで、アスペとか、発達障害とか、乱暴にひとくくりにされていたものを分けて整理して考えられるような画期的なものばかりでした。
続けてご紹介します!

題名: 発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由

作者: 栗原類

発行: 2016年

発行者: KADOKAWA

定価: 1,200円


テレビ番組で発達障害-ADDであることを告白した、栗原類さんの自伝。
タレント本みたいな印象でしたが、これは、世間の発達障害に関する誤解を解く、すごい内容です。さらに、アメリカと日本、両方で教育を受けてきた類さんと、お母さんの目線から、日米の支援教育の温度差を痛感する内容です!
この本を薦めてくれた方が、以前アメリカに住んでいらして、この本の通りだよーと言うので、本当にアメリカと日本の、発達障害に対する認識は違うんだなと思いました。

私ははじめ、類クンって、表情が乏しいし、対人が得意そうではないので、アスペなのでは?と思っていました。
しかし、本を読むと、アスペではない事がはっきりと分かります。けれど困り感は、アスペの人たちと共通するものがとても多いのです。
ADHDと、ADDの違いも、はっきりわかります。
類クンのお母さんはADHDだそうで。
それも、アメリカで類クンの診断をする会議の席で、まずお母さんが「あなたは、ADHDですよ」と言われたという!
びっくり仰天な経歴に、目からウロコが落ちまくりました!!
自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体
  • あすなろ
  • 2017/01/25 (Wed) 09:38:09
題名: 自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

著者: 本田秀夫

発行年: 2013年

発行者: SBクリエイティブ

定価: 730円

『非障害の人たちも含めると、「自閉症スペクトラム」は、人口の10%は存在すると考えられます。』という見解を元に、障害でない、つまり、普通に社会生活を送っているのに、生きづらさを抱えている人と、自力で社会生活を送ることも難しい人(障害)との間には、何があるのだろうかという視点で語られています。

前出の、栗原類さんの例とは異なる生きづらさが、自閉症という視点で語られているので、思い当たる方もたくさんいるはず。
しかし、同じ障害であっても、LDやADHDとは異なる感覚だということも、ADHDの私からは、よく分かりました。
愛着障害 子ども時代を引きずる人々
  • あすなろ
  • 2017/01/25 (Wed) 09:53:08
題名: 愛着障害 子ども時代を引きずる人々

著者: 岡田尊司

発行年: 2011年

発行者: 光文社

定価: 860円

よくパンダさんが、不幸な生育歴をもつアスペの方と行動の関係を考えていらっしゃいますが、その答えがこの本にありました。
このスレの始めの方で、パンダさんが紹介されていたアスペの本を書かれたお医者さんでもあります。だから、多くの発達障害者を診てこられた経験を踏まえて、そこに被さっている愛着障害に焦点を当てた、画期的な内容です。
この本を読んで、私の行動も、愛着障害に起因するものがたくさんある!と思いました。おそらく、全く愛着障害の無い人は、今の世の中、ほとんどいないのでは?と思います。政治家のやってることなどもまさに愛着障害からくるものばかり!
結局、それがあっても自覚して行動修正していくことが大切で、自力で修正できない時、この問題をよく理解している医者を探すことはとても大切だと感じました。
何せ、医者にも、深刻な愛着障害を抱えた人がたくさんいるんですから!!

私が言っていても始まりません。
人間関係に悩む方は必見です!


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